「医療における情報セキュリティ2015」

講演内容:「医療における情報セキュリティ2015」

講師:深津 博(ふかつ ひろし)先生

 

 

現職:愛知医科大学医療情報部部長・特任教授

 

略歴:1985年3月名古屋大学医学部医学科卒業、2002年1月名古屋大学医学部附属病院放射線部助教授、2006年1月特定非営利活動法人日本医療コンシェルジュ研究所理事長、2009年4月愛知医科大学特任教授・医学情報部長、現職。

名古屋大学医学部附属病院にて画像診断医として臨床を行いつつ、医用画像や医療情報におけるシステムの共同開発を数多く行い、特許申請も多数。

 

専門分野

   放射線医学、画像診断学、医療情報、地域医療連携

 

 

 

「医療における情報セキュリティ2015」

 

医療において取り扱う患者の個人情報は患者の悪性疾患の病名、遺伝子情報等、万が一漏洩した際に、回復不可能な不利益を生じさせる可能性がある、非常に機微性の高いものである。

一方で医療分野における情報セキュリティは、一般の企業や法人と比較して非常に遅れている現状がある。

その背景には医師を始めとする専門職が多く、情報セキュリティに関するリテラシーが高くない上に、“患者を救う”という崇高な使命感から、セキュリティ上は危険な行為を、悪意なく繰り返す実情が存在する。

2014年から2015年 にかけては、薬事法改正(医薬品・医療機器法)、文科省・厚労省共同の「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」、特定個人情報保護委員会による「特 定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」個人情報保護法改正、厚労省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン改正」など、法令や制度 の改正が立て続けに行われ、さらに2016年初頭からはマイナンバーの運用開始も予定されている。

このような現状と、外部環境に変化に対応して医療従事者・医療機関として、最低限知っておくべき情報セキュリティの関する知識と対策について概説する